今年も無事にこの日を迎えることができました
夏生まれの自分はやはり夏が大好き
私を産む予定日を10日後に控えた母は
しばらく家の掃除もできないからと
大きなお腹を抱えて大掃除を始めた
その結果前置胎盤になり産道が塞がってしまい
普通分娩を諦め急遽帝王切開手術となり
そのおかげで自分はこの世に生を受けた
だから人が生まれる際には
お腹を切らなければならないのだと
長い間信じていた私は
男に生まれてよかったと本当に思っていた。。。
五十七回目の八月を迎え
残りの人生の始末を考えねばならない頃合いになり
振り返れば後悔のあまりの多さに呆れ返る次第
実を言えば
私には生まれていたはずの弟か妹がいる
家庭の事情で生まれることが叶わなかったことを
かなり後になって母から聞かされた
母はこのことは誰にも言わず
黙って自らの墓場まで持っていくはずだった
しかし
聞かせてもらって私はよかった
幼い頃は兄弟のいる家庭を羨んだこともある
でも本当は自分には弟か妹がいたと言う事実
それを知った時は本当に嬉しかった
「一人ではなかった」と言う真実は
長く一人っ子として育ってきた私の誇りになった
血を分けた君にはいつか向こうで会える
でも本当は自分ではなくて
君が生まれてくるべきだったのではと思うよ
そうすれば多くの人たちに迷惑をかけたことも
恩を仇で返すようなことも
両親に悲しい思いをさせることも
そして今の妻に苦労をかけることも
なかったろうに。。。
何一つ成し遂げることなく終わる人生なら
早く終わらせてしまったほうが良いのでは
そう考えることもある
君の代わりにいただいた命なのに
粗末な生き方をして申し訳ないとさえ思う
自分の”お役目”は何なのだろう
未だにわからないけれど
必死に支えてくれる人がいるから
こんなにみっともないけれど
まだ生きることができているよ
もうすぐお盆だから帰っておいでね
一緒に甘いものを兄ちゃんと食べよう