たまには旅に出ようじゃないか
// 西谷先生 //
// 西谷先生 //

// 西谷先生 //

かつて大阪桐蔭高校野球部監督の西谷先生にお目にかかったことがある。

当時、夏の甲子園大会が終わったばかりで、ご多忙の時期であったにも関わらず気さくに応対してくださり、各設備を自らご案内くださった後に監督室に誘われ、窓から見える専用グラウンドを見て「これが『虎の穴』か」と感動したことを覚えている。

西谷先生はとても穏やかなお話ぶりで、そこからも優しい先生のお人柄が伝わってきた。

ふと白板を見ると、当時よく知っている三年生の選手たちの名前と予定が細やかに書き込んであった。

西谷先生の選手勧誘はとても熱心であり、全国津々浦々をご自身で回られることは有名であるが、時としてそれが地方の有名選手の独占のように語られることもある。

人それぞれの受け止め方は様々で結構だと思うが、実際の西谷先生のお人柄に触れれば、「この人の元で野球をやってみたい」と言う気持ちになる選手が大半だと思う。

そして先生が育てた選手は必ずその一人残さず進路を最後までご自身で面倒を見られると言うことは特筆しておきたい。自分が育てた選手の特徴と進路先の実情を見極めしっかりと送り出してくださるのだ。

なかなかできることではないと感じる。

強く厳しいだけでは選手もチームも育たないのだ。

今年の夏も優勝候補の筆頭に挙げられていただけに。今回は残念と感じられる趣もあるだろうが、ベスト8は立派な結果である。これまでの試合運びも王者の風格さえ感じさせる場面が数々あったし、選手が野球をしっかりと学び実践していることも伝わってきた。要所要所での西谷采配もさすがと感じさせられた。

勝負の世界はどうしても勝ち負けで評価されるのは致し方ないけれど、それでも大阪桐蔭の試合はとても面白かったと思う。

西谷先生をはじめ大阪桐蔭高校のこれからのご活躍を祈ります。

お疲れ様でした。