私が中学生の時に文庫本(確か角川文庫出版だったと思う)の原作を読んで感動し、その足で当時難波にあった本屋の旭屋に走って英語版のペイパーバックコーナーで原作本を購入、日本語版文庫本を辞書がわりにして原作本と変わるがわる読み耽った作品。学校では教えてくれない英語の言い回しがとても新鮮だったことを覚えている。それくらい熱心に学問に向き合っていればもう少しまともな大人になっていただろうと悔やまれる。。。
今日のBS放送で映画版「ある愛の詩」を放送していたので、なんとなく見ていた。
本の内容と比較すれば映画の序盤はとても駆け足に作られていて、主人公の彼女であるジェニーの可愛らしい部分がかなり端折られていて残念に感じた。何せ古い映画なのでコマ割りとかカット割りの古さはどうしても否めないが、主人公のオリバーを演じるライアン・オニールの初々しさと彼女役のアリー・マッグローの清々しさがとても心地よく映る。
ストーリーの大幹は元祖ラブストーリーの王道であり、まだ見ていない人の為にも大事なところは伏せておきたい。ただ、物語終盤におけるジェニーの「最後に一つお願いがあるの。抱きしめて」のくだり、そして抱きしめ合う二人の姿はもう涙無くしては見られない。映画を代表する台詞である「愛とは決して後悔しないこと」は作中幾たびか出てくるのだが、出てくる毎にその言葉の重さが胸に沁みてくる。余談だが原文をそのまま書くと”Love means never having to say you’re sorry”となるのだが、これは「愛していれば後から謝ったりしなくてもいい。」という意味になるらしい。私の記憶に誤りがなければ、この本の原作の日本語版を出版するにあたり和訳したのは角川春樹さんだったはずで、「愛とは決して後悔しないこと」という訳し方は私個人的にはファインプレーだと感じている。かなり原作を何度も読み込んで決めたフレーズなのだろうと推察する。
昨今のCGを駆使した映画も大好きであるが、たまに今作のように訥々と進む映画もなかなか良いものだと思った次第。