先日、あるTV番組を観た。
今飛ぶ鳥を落とす勢いでメディアに登場している東進ハイスクールの林先生が、中卒者や高校中退者を前に「学びの本質」と「人生」について語るといった内容のものであったが結構面白かった。
「今でしょ?」という決め台詞だけが独り歩きしている観が否めない林先生であるが、ご本人は決してそれだけの薄っぺらいキャラじゃないと思っていたが、気合の入った素晴らしい人だと確信できた。
林先生は僕と同じ年齢。もちろん彼の経歴は僕なんかとは比べようもないほど素晴らしいけれど(笑)
僕も結構転職してきたけれど(自慢にはならないが)、色々な環境で多くの人たちと接してきたおかげで洞察力らしきものと、僕なりの我慢が身についたかな?って言う気がしてる。
かつて僕も人に教えることを仕事にしていたことがある。
色々なキャラの人たちを相手に、どうすれば気持ちをこちらに引き付けられるのか?限られた時間を効果的に活用する工夫は?
教材の作製や、テキストの考察、また時には後進たちの指導。
当時の「ニュースステーション」でメインキャスターを務められていた久米宏さんの話術を必死で盗もうとしたり、島田紳助さんの切り替えの速さを先読みしたり、ワイドショー番組を見てプレゼンの仕方を勉強したり。
その気になればヒントはいくらでもあった。
当時若すぎた僕は、周りの人たちの仕事に対する無頓着・無関心さが非常に腹立たしかった。
だから一人でとことんまで突き進んでやろうと考えもしていたな。
時にそんな僕の姿は単なるパフォーマンスとスタンドプレーにしか映っていなかったろうね。
でも、それでよかった。きっちりと形に仕上げればきっとみんなの役に立つだろうと信じていたから。
今思えば今までに経験した中でも、この仕事は適職だったろうと思う。でも、あのまま続けていたら今僕はもうこの世にはいなかったかも知れないな(笑)
余裕がなさ過ぎた。すべてに関して。殺気立っていたと思うから。
でも、先の番組で林先生を観て当時の僕とかぶって見える部分が沢山あったんよな~。それがとてもうれしかった。
人に教える立場の者は、まず自己否定から入らなければならない。
これで間違いはないと思える案件ほど実は非常に危ういもの。
だから、どこかに漏れはないのか、穴は開いていないのか、客観的に、俯瞰的に自分を観察できなければいけない。
教えるということは、人をまず惹きつけることから始めなければいけないんよな。
とことん否定されても、受け入れられなくても、それでも語れるだけの胆力が必要。
林先生はとても恰好よかったな。
久しぶりに「プロ」の話を聞いた気がした。